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シイラ大全


シイラ釣りの最新最強実戦テキスト!
シイラ大全

■基本編
■エキスパート・お友達編
■ターゲットの探し方
■シイラフィッシングにおける脳内視力の重要性
■シイラと「鼻をかんだ後のティッシュ」の関係
■リリースマニュアル(参考)


シイラ大全:Text by 市川正章(1968年 神奈川生まれ)
80年代の日本のオフショアゲーム黎明期から平塚庄治郎丸のインストラクターとしてミヨシに立ち続けた。おそらく日本でいちばんシイラと関わってきたアングラーだろう。スズキのソルトウォーターフライ、コイのフレッシュウォーターフライなどのワールドレコードホルダーでもある。Skid&Acid IGFA所属



ターゲットの探し方

シイラ編

探す為の基本的な考え方
シイラは潮の子である。関東近海には潮温19度を上回るとやってくる。最盛期は23℃前後であろうか。潮色はクリアーにこした事は無いが、クリアーだからと言って良いという訳ではない。潮色はクリアー過ぎると群青色となり、それを過ぎると黒くなっていく、これが黒潮と呼ばれる所以(理由)なのだ。黒潮自体は養分の少ない潮と言われ、魚はその中では無くその縁を回遊しているらしい。つまり、黒潮自体を理解する事と言うよりも、黒潮のもたらす影響を学ぶ事が大切となる。例えば、黒潮を川の流れと置き換えて考えてみよう。流れのカーブ外側というものは、そのまま真直ぐ進もうとする力が働くものである。その結果として、川が増水した場合は土手が掘れたり時には決壊したりするのである。海には土手が無いので、流れの本流は曲がっても、そこには真直ぐ進もうとする水の流れが新たに発生するわけで、それが分流と言われているものである。シイラが黒潮の縁を回遊しているのならば、それがカーブの外側であれば、本流と共に曲がらず、分流と共に真直ぐに進む方が自然というものだ。黒潮がカーブしている外側というものは、黒潮から何らかの影響を受けている魚を狙う場合、とても重要なポイントである。このメカニズムを知っていれば、大きな動きの中で予想を立てる場合にはアドバンテージとなる筈である。

シイラは潮の先端に居る
この言葉はシイラ釣りをする上で絶対に忘れてはならない格言である。もちろん私が勝手に創ったものであるが…。
潮は必ずどちらかの方向に流れているものである。たとえ今流れていなくても、その前はどちらに流れていたかを知っておくか、予想しなくてはならない。つまり、朝出船した時も大切だが、昨日の帰りにどちらにどれくらいで流れていたかを観察しておかなくては、次の日はゼロからのスタートとなってしまうのだ。次に潮の方向を判断し、その流れがぶつかる方に何があるのかを考える、それが潮なのか陸なのかということである。潮ならば(湾奥の汚い潮、例えば東京湾の潮など)その先に潮目や浮き物がある可能性が高いだろうし、陸まで潮が当っているならば、普段はやらないような陸に近いブイにもシイラが付いているのではないかと予想するのだ。陸に近付くとなぜか嫌な感じがするが、必ず潮の先端は確認すべきなのである。また、ぶつかったその潮がどちらに逃げているのかを予想し、逃げた潮が他の潮とぶつかって潮目ができているのではないかとも考えるのである。もちろんこれらはシイラの居る潮が前提で、いない潮はどこにも居ないので意味は無い。では、居る可能性の高い潮と低い潮を見分けるファクターには、どんなものが上げられるのかと言うと、潮色・温度・鳥の数・トビウオの数・ベイトの数と雰囲気しかないのである。つまりこれは経験値によってのみ導き出される答えなのである。

潮目における可能性の判断
単発のターゲット(流木等)にシイラが居るか居ないかは、ルアーを投げてみれば良いのだが、長い潮目となると延々と流す(船を移動させながらキャストしていくこと)しかなくなってしまう。つまり、時間が掛かりすぎてしまうような場合、どこに重点を置いてキャストするのかも重要となってくる。基本的に船を中間速度で潮目沿いに走らせ、目視できる魚やシイラの引き波をチェックしたり、チェックしながら大きなターゲットや潮目に変化の有る部分や鳥が旋回したのを発見したら投げてみる事である。潮目の判断でまず必要な事は、その潮目に生物反応が有るかを確認する事である。数は少なくとも鳥は飛んでいるか?流れ藻に隠れる小魚やマツダイは居るか?などである。生物反応が有れば潮目が消滅するまで流してみる価値は少なからず有るだろう。流す場合は、潮目を順光で見る方向に流すか、次のプランに対応しやすい方向に流すべきである。順光は水面下が見やすいので有利であるという単純な理由である。流しながらも生物反応を常にチェックし、あまりになくなってきたら、最初に潮目に当った位置から反対方向に流す事も考えるべきである。潮目の中の陸ゴミと沖ゴミの差は言うまでもない事なので、ここでは割愛させて頂く。

意外と盲点なのが自船と潮目の間ばかりに注目しすぎて、反対側の魚を見逃す事である。叩かれた後の潮目でもこれらの魚はスレていないことが有り狙い目である。この魚の対策としては、1人で良いから反対側に投げさせておく事である

鳥の動きによる探し方

鳥は魚を見ている。鳥は魚の居る所に居る。
鳥はシイラを含む全てのフィッシュイーターを探す事の指標となる。しかし、頼りすぎてはいけない。潮がまだ最盛期になる前は、鳥の動く方向を観察し、その方向と同じに動くと良い場所がある可能性が高い。しかし、最盛期の潮の中では頼り過ぎることの弊害も有るので程々に。鳥の動き方でその下にいる魚は大体判断できるものである。サバ鳥・シイラ鳥・カツオ鳥と表現されるものがそうである。(鳥の種類ではないので間違えない様に)また、ベイトの種類でも飛び方が違い、イワシの時とトビウオの時では対応方法が違う訳だからしっかりと見定めなくてはならない。

移動中の確率を高める方法
移動中は全く確率が無い訳ではないので、少しでも確率を上げるためには、水面状態のなるべく良いルートを走る事である。凪ぎ知らずの方は仕方ないが、凪ぎの日でも風の影響で水面がまだら模様になっている訳で、その中でもなるべく鏡のような水面に近いを部分を選んで走るのである。このようにするだけでシイラの引き波や何らかの生物反応やヒントを発見する確率はグッと高くなるはずである。ただ闇雲に目的地に向けて走ったり、探して走り回ったりするのではなく、走る中でも確率を常に考えて走る事である。