![]() トップページ 大会の詳細 てっぱつアーカイブ 乗船のエチケット タックル 内房のシイラ船 C&Rについて シイラ大全 シイラ釣りの最新最強実戦テキスト! シイラ大全 ■基本編 ■エキスパート・お友達編 ■ターゲットの探し方 ■シイラフィッシングにおける脳内視力の重要性 ■シイラと「鼻をかんだ後のティッシュ」の関係 ■リリースマニュアル(参考) シイラ大全:Text by 市川正章(1968年 神奈川生まれ) 80年代の日本のオフショアゲーム黎明期から平塚庄治郎丸のインストラクターとしてミヨシに立ち続けた。おそらく日本でいちばんシイラと関わってきたアングラーだろう。スズキのソルトウォーターフライ、コイのフレッシュウォーターフライなどのワールドレコードホルダーでもある。Skid&Acid IGFA所属 |
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オフショアシイラフィッシングにおける脳内視力の重要性
4月になると黒潮の動向が気になる。冬の間は全く開く事の無かったお気に入りに保存された海況図のページを開き、日々動向を観察するという楽しい作業が始まるのだ。 相模湾は、シイラのオフショアフィッシングにおける国内最高(丸橋英三氏に言わせれば世界最高)のフィールドであり、この分野における先駆的な船宿が存在し、そしてそれに伴って経験値の高いアングラーを育ててきた事は疑いようの無い事実である。ちなみに、駿河湾は世界で2番目?のフィールドと言えるようである。 オフショアでシイラとより多く出合う(キャッチする)には、その果てしなく広いフィールドをいかに効率良く走り(廻り)・いかに見逃す事なく発見し・いかに確率よく食わせられるかがポイントである。ポイントというよりは、これ以外の要素は無いのである。一つ目の「効率良く…」は、大抵の場合が船頭さんの役割である。二つ目の「見逃しなく…」は、船頭さんとアングラーの両方が同時に行える役割である。そして三つ目の「確率よく食わせ…」は、大抵がアングラーの役割となる。ここで気付いて欲しいのは、私達アングラーが担える役割としての、「見逃す事なく発見し」という部分が貴方の中にどれだけ意識されているのか、という事です。船頭さんの「ハイ投げて」の合図で適当に投げて釣れてしまうのと、自らが視認したターゲット(流木等の狙うべき漂流物)や魚に向かって投げるのとでは、とても大きな違いがある事をもっともっと自覚すべきなのです。両者の大きな違いは、自分の視界(視野)の中でゲームが展開されているのかいないのかという事です。私は、昔からシイラフィッシングは「究極のサイトゲーム」であると公言しています。一般的には、ポイントが目視できたり、チェイスやバイトするところが見えたり、はたまたファイトが水面付近で行われるものを「サイトゲーム」と呼ぶのですが、「究極のサイトゲーム」とは、その前段階である「見付けて(発見して)から」という部分が入る上にとても重要な要素となるので「究極」と付けているのです。そして、その「見付ける・発見する」が難しく、経験・能力・センスなどによって差の付く部分であるので、面白くもあり奥が深いのです。 サイトゲームにおける最も重要な能力は、間違いなく「視力」である。視力には単純に物を見る能力としての「眼球視力」と、動いている物体を認識したり(動体視力)、瞬間的な情報を認識したり(瞬間視力)、視野の片隅に捉えた物を認識したり(周辺視力)する、「脳内視力」というものがある。眼球視力とは、誰でも一度は経験があるであろう学校などで行われる単純な視力検査で判明する、静止物体を認識する単純視力であり、基本的に劣らないのであれば実践上あまり問題は無い。しかし、脳内視力にあっては、実践で使う視力の大半を占めていると言っても過言ではない上に、その特殊性から個人差が大きいので、とても重要なのである。では、どのような時に一番脳内視力を使っているのか代表的な例を挙げてみると、船は基本的にターゲットや魚を探しながら走っているものなので、その状態が脳内視力を一番活用している場面と言える。具体的には、走る船上から鳥を発見してその動きを観察すること、水面のターゲット(浮遊物等)を発見しその形状や周囲の状況を認識すること、水中の魚を発見しそのスピードと頭の方向を認識することなどである。 人間の視野は、視点(視線の中心)から遠くなるほど物体を正確に捉える事は難しくなる。もちろん自分が動いている状態であれば尚更のことである。しかし、周辺視力によって視界の片隅にでも発見できれば、その方向に顔を向け視線を移すことによって物体を認識する事ができる訳で、後は物体が動いていようがいまいが正確に認識すれば良いのである。このように、脳内視力は各々が各々に機能しているのではなく、お互いに連鎖しながら機能することによってその能力を最大限に発揮しているのである。そしてその能力が高いほど、その情報が筋肉に伝わるスピードが速いほど、船上では有利に事が運べる(釣果に結び付きやすい)ということになるのである。では、実際に私が行っている方法や、より有効に活用する為にこだわっているアイテムについて話してみたいと思う。最近、「ターゲットを探して移動している時って、いつもどの辺を見ているのですか?」と良く質問される。確かにごもっともな質問であると思う。質問されてから意識して確認してみたのだが、その時々の状況によって「視線の重点」をかなり変化させている事がわかった。例えば、鳥山・漂流物の発見を重視した状況だと、飛んでいる鳥の動き方や水平線に近いような遠目の水面を見ているのだ。その具体的な方法とは「スキャン・メソッド」と呼ばれるもので、視点を常に動かし続けることによって、視点の先に捉える事はもちろん、視野の片隅に捉えた僅かな変化も見逃さずに反応して、そちらに視点を移すことにより認識するという方法である。また、潮の良い海域でフラつきシイラがいる可能性が高い状況では、船の進行方向の水面下が見える最も遠い位置(概ね船から5~15m横の20m程度前方)で視点をあまり移動せず、船の移動によって移っていく水面下の可視範囲を周辺視力も総動員しながら見ているのである。まあ、方法というのはこんな感じなのだが、刻々と変化する状況に対応してより確率の高いだろう方を選択する判断ができるのかという事の方が重要だったりもするが…。有利に事を運ぶ為のアイテムで、最も重要なのは偏光グラスである。そして次に重要なのは帽子である。偏光グラスの値段は、レンズの値段に概ね比例するのだが、けして安物が悪いわけではない。むしろ高い物の中には見た目のデザイン重視で機能的には粗悪なものもあるし、淡水と違い塩分によって良いレンズでもキズが付き易いし、私の場合は使用頻度も高く壊してしまうことも多いので、ある程度の値段(私の場合は3000円)以上で自分の顔にフィットする物をマメに買い換えている。レンズの色は、真夏のピーカン炎天下ならば濃い目でも良いが、そんな時間は全体の時間からすればけして多くはないので、多少薄暗くても対応できるグレー系・ブラウン系の薄目が私のお勧めである。デザイン的な面でひとつ欲を言うならば、掛けた時に視界内でフレームの存在が邪魔にならない物を選ぶと煩わしさや死角をなくすという意味でよい。また、最近ではフレームにサイドからの光を遮断するための遮光パーツを付けている人がいるが、これはじっと一点の水中を観察するような場合には適していると思うが、広く浅く周辺視力をフル活用する場合にはむしろ障害となる可能性もあるので、私はあまり必要性を感じていない。帽子はツバのあるタイプであればどんな物でも大丈夫だが、ツバの面積が広くツバの裏が黒い物がよい。このような既製品はほとんど無いので、私はマジックで裏を黒く塗っている。黒くする理由は、光の反射を少しでも防ぐ事によって視認効率を上げるためである。 最後に、脳内視力が活躍したその後には、ターゲットや魚に向かって正確にキャストしたり、ルアーを魅力的にアクションさせたり、正確かつ力強いフッキング・ファイティングなどなど、肉体的・感覚的な能力を試される事が山ほど残っている事をお忘れなく。その辺のお話は今後に譲るとして、今年のシイラシーズンを振り返って、シイラ釣りは日本のソルト系ターゲットの中でもハイレベルな総合的アングリング能力を必要とするんだなぁ、と改めで実感している今日この頃です。シイラを「釣る事」よりも「探す事」に楽しみを感じられるようになったら貴方は本物のシイラ釣り師です。大海原でシイラを「探す事」・「釣る事」は、ハイレベルかつ最高に楽しい「ゲームフィッシング」と断言します。 |